建築

建築業界のその後

インターネットのサイトに素材の下代がガンガン上がっちゃってるのを見ると、もう分離発注してしまえやって思う。 一番難しいのだけど、あとは職人さえ抑えられればできる。 職人.NETみたいなのがあると、小中堅どころの建設業界はたちまち破綻するはず。 実…

思考停止をデザインせよ

このまえどうにもならないときに思考停止したくなるという生理現象についてつぶやいたんだけど、その後つぶやきたかったことをちょっと整理してみる。これは10年以上前から、面白いと感覚的に感じたものが、どう面白いのかを言葉で説明しようと積み重ねてき…

文化としての建築までの距離について

時々神保町に行って古い建築雑誌を買うのが趣味で、20年前くらいの雑誌を見てるとあまりに現代との分断があってひどい。昔のA+Uとか今と比べ物にならないくらい内容充実してるけど、それでもほとんど価値が見いだせない。 文化というのは継承されないと根付…

ツカパー2012

年に一度の塚本研OB会。今年から百年記念館でなくなってしまったが、年に一度、塚本先生がその後どいう研究と実践を行っているのかを知る楽しい機会。 建築ー都市ー国家という磯崎さんに対し、建築ー振舞いー生命という塚本さんの関係性が、非常に東大に対す…

伊東の住宅/隈研吾事務所

あまり知られていないN.フォスターの住宅を壊して建てられた坪単価500万近い邸宅。いやもうすっごいよかった。建築の構成としては普通なのだが、本当にいい素材のものを丁寧なディテールで仕上ると、こんなに感動できることに驚く。 坪200万以上っていくらお…

浅草文化観光センター

浅草文化観光センターは全部の階が最上階!って体験が圧倒的だった 浅草文化観光センターオープンした様子。こないだ見て同時期に竣工した自分の担当作と比較して思ったことを書いてみる。個人的で観念的な感想として。 自然が美しいとか建物が素晴らしいと…

アオーレ長岡

事務所の人と行く長岡ツアー。 これは画期的な公共建築だったと思う。生憎めちゃめちゃ雪の日で、しかも融雪装置が作動しておらず光の加減というのはわからなかったが、屋外のような屋内のような感じの中土間は使い勝手がありそうだしとてもよかった。 建築…

ぐりんぐりん/伊東豊雄 アクロス福岡/エミリオ・アンバーツ+日本設計

福岡の新旧人工大地建築を見てきました。ぐりんぐりんは想像していたよりもずっと楽しかった。建築というよりは土木の延長としてちゃんとできている。ただ大地に連続していながら、運営上、非常に閉じていて、入口と出口はひとつしかない。 アクロス福岡に関…

建築業界の夜明けを想う

建築業界には上代、下代という特殊な価格設定のシステムがある。カタログに載せている金額=上代と、実際に売られる金額=下代は異なる。これは売る相手先によって上代に対する掛率が変わって下代が変わるという、建築独特の癒着体質によるものだ。 掛率が平…

忘れること

設計において「忘れる」ことをどれだけ前向きに考えられるかを思う。どうしてそう決めたのか、完成するまでの間に何度も忘れる。逆に関わる人みんなに忘れられているということはそれだけデザインの強度が弱いということでもある。 そういうところに何度も手…

SHIBAURA HOUSE / 妹島和世建築設計事務所

楽しかった。あんなにニュートラルに設計されてても、場所の楽しさが内と外の入り組んだシステムの上に乗っかってその楽しさを増幅させてくる。 でも実はちっとも幸せな建築という感じがしなかった。社会や経済みんなに望まれて生まれたという感じが希薄。ひ…

細分化される建築家の職能について

JA82号を読んでおもったこと。 まず従来の建築家像をなぞる存在として圧倒的に多いのが、新しいデザインが世界を救うと思っているデザイナー的建築家。 その段階から飛躍してマイワールドを獲得しその展開に努める巨匠的建築家がいる。 これに対して、デザイ…

建築と祝祭性について

準備が着々と進むチェルシーフラワーショーが開催される場所は、元々チェルシーロイヤルホスピタルという病院の大きな庭園。ヨーロッパの人の仮設イベントに対するエネルギーの注ぎ方はいつ見てもすごい。たかだか一週間弱展示される200平米の庭のために、お…

風のパビリオン/隈研吾建築都市設計事務所

ロンドンを訪れていたのはチェルシーフラワーショーの庭園のひとつにこの小さなパビリオンを建設するため。 すむしこという細く割いた竹をパネル化し、その中央に屋根を支える鉄のロッドが入っているのだけど、ロッドとパネルの間にボールベアリングが入って…

BRITISH MUSEUM / Foster and Partners

ブリティッシュミュージアムがやばかった。曇りだったので一様に白くて、より内側っぽい外側のようなやっぱり内側の空間体験。ロンドンがすごいのは美術館がほとんどタダなところ。そして寄付を募る箱が置いてある。ああ社会として圧倒的に負けてる と思う。…

窓枠

出張のため久方ぶりのヨーロッパ。空港からロンドン市内に向かうタクシーの中でまず気になったのが窓の枠。 枠に対する日本と欧米の意識の違いはかなり大きい。枠だけ見ても欧米はそもそもインテリアとエクステリアが完全に分断されているのが分かる。街から…

ところミュージアム大三島 / 山本英明+DEN住宅研究所

伊東豊雄ミュージアムのすぐ横に立つ。斜面に沿って階段状に半屋外的な大空間があって、そこに木の架構とファブリックでアーチ状のドームがかけられたシンプルな構成。とてもいい。そのあっけらかんとした感じとか、ローファイな感じが島にとても合っている…

亀老山展望台/隈研吾

大学生のときに一番影響を受けた建築のひとつが実はこの山の上にある亀老山展望台だった。この旅のハイライト。感慨深い。 もう15年以上たつからか、かなり傷んではいたけど谷底のような空間体験から大階段を上がって視界が開ける楽しさ。さらに木とスチール…

伊丹十三記念館/中村好文

緑の芝と焼き杉の黒い外装のコントラストが綺麗。中央に中庭を配した四角いドーナツ状のシンプルな計画。中村さんらしい浮かれたところのない、パリッとしたとてもいい建築。文化人という言葉がよく似合う多才な伊丹さんの展示も楽しい。

坂の上の雲ミュージアム/安藤忠雄

松山城のふもと、少し高台に建つ。司馬遼太郎の坂の上の雲をフィーチャーした美術館。安藤さんらしくないガラスカーテンウォールだが、周辺の緑をよくとりこんで、とても気持ちいい。三角形平面に潟博物館のような螺旋状の動線が収まっている。ぐるぐると登…

実践学園自由学習館/NASCA

大階段状の図書館はとてもいいという慣習的事実。 本が一度にたくさん見渡せるストックホルム美術館的な感じに、本を読むためのスペースを加えていくとそうなるのだろう。 スノヘッタによるエジプトの新アレクサンドリア美術館は見に行きたい。

続:建築家になにができるか

早朝、小湊の漁港から海に出て行く漁船を見ながら、僕らは灯台にならないといかんのだと思った。すいません。建築家にはすぐに皆さんの元気になるような気 の利いたことはできません。でも、今別の場所での生活を余儀なくされている皆さんがまた帰って来たい…

建築家になにができるか

若手スタッフで話し合う会。宮澤隊長が言っていた マイナスをゼロにする仕事とゼロをプラスにする仕事があるという話に、建築家に今何ができるかが凝縮されていた気がする。 同じゼロをプラスにする職業でもスポーツや音楽が役に立っているのは何故か。それ…

建築家とインテリア

中国はスケルトンと内装の仕事を完全に分ける。従来の建築家の価値観からすると、そのやり方でいい建築なんかできやしないと思える。でもそういうやり方は逆に言えば建築家を引きこもらせないいい方法なのかもしれない。 つまり建築家はインテリアがない状態…

ホキ美術館/日建設計

年明けに日経アーキで見て以来ものすごく楽しみにしていた作品。 ものすごく唐突に新興住宅地の端、大きな森とのエッジに建つ。 長方形を押し出したようなリニアなボリュームが積み重なった構成。 一番最初がキャンチのすごいボリュームで、上から少しずつ下…

小山敬三美術館/村野藤吾

曲線を多用した平面系にところどころ直線的な角が取り合う。 断面的にはきのこを思わせるような大地と建物の関係。 藤森さんに通じるものを感じる。 1975年の作なんだけど妙に現代的で楽しい。

安藤百福記念センター/隈研吾建築都市設計事務所

正三角形に近い断面形が谷あいに横たわる構成の研修センター。 屋根がそのまま壁になる状態って もっと山小屋にいるっぽい感じの空間を想像していたけど それをダイレクトに感じられる構成の空間が意外と少なくて残念。 長辺方向に思いっきり景色がいいのに…

田崎美術館/原広司+アトリエφ

1986年の建築学会賞作品。24年前。 美術館としては道路に対してかなり唐突にある印象。 平面的にも立面的にも雲形が蔓延しており それが不調和を起こしているところに空間が立ち上がっているという印象。 そこにゆるぎない力強さがある。 小さな美術館なのに…

アルマン・ザットラー・バップナー

のHPがキュート。 昔僕が内定をもらったことのある会社です。 なんでいかなかったんだろwhttp://www.allmannsattlerwappner.de/#/de/projekte/auswahl/pics/

TASAKI銀座/乾久美子建築設計事務所

4種類?の色素材、太さの違う窓枠でできた窓が積みあがる構成。 一見でこぼこしているように見えるのは枠の太さの違いからくる目の錯覚だった。 よくできてるなあ。。