夢の住人

森下駅大江戸線を降り、エスカレーターで新宿線のホームへ下りるとそこに、舘ひろしがいた。舘さんはサングラスもかけないで旅行帰りなのかキャリーバックを持って柱に背をもたれかけてタバコを吸っていた。僕はあぶない刑事の頃から大ファンだったし、もうどう見てもそれは舘さんだったので、いつもなら躊躇してしまいそうなところだけど迷わず、「舘さんですよね?」と握手を求めにいった。舘さんの手は大きくてごつごつしていて、さすが刑事さんの手だなあと僕は感心した。新宿線に乗ると舘さんは僕の2つ隣に座って、僕はその距離感に妙な居心地の悪さを感じた。