2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

インランド・エンパイア/デヴィッド・リンチ

多分ここまで難しい映画は見たことがない。 どこまでが幻想でどこからが現実かそんな境界ははじめからわからないし 時系列的にもなにが初めて何が終わりか分からない作品。 なのにここまで心揺さぶられるのがこの監督のすごいところ。 初心者にはマルホラン…

道/フェデリコ・フェリーニ

名画。ザンパノ見てると何故か心が痛みますw道 [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2002/04/25メディア: DVD クリック: 93回この商品を含むブログ (134件) を見る

時間の速度と空間の抽象性

4日で10個近い美術館を回って思ったのは、美術館を計るパラメータには 空間と立地と作品の抽象度があるということ。 DIA BEACONなんかは大きくていいんだけど緑に囲まれた郊外に工場をリノベーションして建つ生々しさとそこに置かれる作品の抽象さが妙にミス…

DIA BEACON

マンハッタンからハドソン河を1時間半ほどのぼった川のほとりに建つ工場をリノベーションした美術館。 工場らしい全て北側のハイサイドライトで明るさが確保された完全自然光の美術館。 下手すると一部屋1000平米以上ある巨大な空間にリチャード・セラやドナ…

ビーコン〜ニューヨーク

朝鉄道でビーコンへ。 鉄道はハドソン川沿いを上流に進むのだがあいにくの霧に隠れてほとんど湖のようにしか見えない。 マンハッタンからわずか1時間しか走っていないのに川沿いの風景はほとんど建物らしい建物がなくて、僕は突如国土が10倍になってしまった…

バインネック稀覯本図書館/SOM

日曜で残念ながら入れず。。 大理石の工芸品のような造形がとてもかっこいい。 こういう事務所と今まで仕事をしていたのかと思うと鳥肌がたつ。 そういう意味で一代だけで終わってしまわない事務所てとてもいいと思う。

ユーロ・サーリネン@アートギャラリー+建築棟/ポール・ルドルフ

サーリネンと言うとどうしてもRCシェルの造形というイメージが強いけど こうして作品が一同に会すとつかみ所のない人だと言う印象がある。 光を扱った印象的な作品や、プレファブされた単に均質じゃない動きのあるファサードなどはある種の現代性を伴ってい…

イェール大学アートギャラリー/ルイス・カーン

斜めに組まれた板状の三角格子天井が美しい。 設備のメンテナンスは大変そうだけど。 外周部はほとんどガラスなのだけどスクリーンが下ろされてしまっているのが 使い方としては少し残念。 開口部にはコントラストが必要だと二つの作品の違いが語っているよ…

イェール大学英国ギャラリー/ルイス・カーン

近代建築の名作にして恥ずかしながら初カーン作品。 シンプルなRCラーメンがところどころ抜けて吹き抜けをつくったり 壁に穴が開いてインテリア・ウインドウをつくったりするものすごいシンプルな構成。 これほどシンプルな建築は見たことがないけど、同時に…

車窓の違い

ニューヨーク郊外を走る鉄道から外の景色を眺めていて、ほとんど同じようで日本と違う何かにじっと思いを馳せる。まず決定的に違うのがレンガの量。日本でレンガ造の建物なんてほとんど目にすることがない。 次に気になったのが屋根型。日本の家型は瓦屋根あ…

ニューヘブン

朝グランドセントラル駅から電車に乗ってニューヘブンへ。 すごい名前の街だと思うけど天国のカーンに会いに、およそニューヨークから1時間半。 イェール大学の英国ギャラリーとアートセンターをゆっくり見て ようやく仕事から引き継いで来たトップギアがゆ…

チェルシー 街の使い勝手

ハイライン沿いの倉庫街は今やすっかりギャラリーとなっているんだけど 誰でも無料で入れて、中には600平米はあろうかという大きなワンルームもあってとても楽しい。 コムデギャルソンもそんな並びにある。 なんでこんなことができるかというとやっぱりひと…

ニューミュージアム/SANAA

倉庫を積み重ねたような空間というのはとても面白いんだけど ぐっとこなかったのは動線がないからだと思う。 4-5階以外は主な動線がエレベーターしかないのが残念。 コールハースのボルドーの家とまでいかなくても坂さんのニコラス・G・ハイエックセンターの…

ニューヨーク2

天気がいいので建築巡りの二日目。 ホテルから近いディラー+スコフィーディオ+レンフロのジュリアード音楽学校を見る。分かりやすい建築的な操作でできているけど、少し大味な感じ。 続いてモーフォシスのクーパー・ユニオン、ヘルツォークの40Bondなどを見…

Spoon live @Radio City

Spoon見たさ半分、Radio City入りたさ半分。 ジャンルにはまらないオーセンティックなロックなので日本では不人気だけどアメリカでは結構人気みたい。 ライブ巧者って感じでは残念ながらなかったけど 細身でギターを半身ネック側に抱えて引く姿がとてもいい…

the Artist Is Presentマリーナ・アブラモビッチ展/MOMA

パフォーミングアートの第一人者であるマリーナ・アブラモビッチの展覧会。 この展覧会がとにかくすごいのは実際に会場のあちこちでパフォーマンスが行われていること。 微動だに動かないというと言い過ぎだけどじっとしているのがパフォーマンスの基本。 も…

2010@ホイットニー美術館

まさに今を切り取ったコンテンポラリーアートが集まる展覧会。 ケイトギルモアの展示が印象に残る。 ビデオインスタレーションの部屋の真ん中に四角い筒状のボリュームがあってところどころぼこぼこに壊されている。 なんだろうと思ってビデオをみると、 そ…

ホイットニー美術館/マルセル・ブロイヤー

通りに向けて逆階段状にせり出したボリュームが印象的な美術館。 床も石ばりで抽象化された白い空間の中に 切り取られた台形の大きな窓にはっと心を奪われる。 不整形な窓の向こうに見える整然としたニューヨークの街は 予想よりもずっと近くてそのギャップ…

PS1現代アートセンター

小学校をリノベーションした美術館。 廊下の風景には元の面影が残っているけど天井の高さがとてもそれを感じさせない。空間の広さも壁の仕上げにも大差がないので美術館の印象というのはほとんど床の素材と天井高で決まるといっていいかもしれないとこれを見…

イサム・ノグチ美術館/イサム・ノグチ+ショウジ・サダオ

隈さん曰くショウジさんはカーンのところにいた人らしい。 レンガやコンクリートブロックでつくられたものすごくシンプルな建物なのだけど、彫刻美術館はこうあるべきというような彫刻を見る美術館にふさわしい空間がつくられている。柱や梁はむき出しだし、…

ニューヨーク1

前日に3ヶ月にわたって携わって来たコンペのプレゼンが終わり、トップスピードギアのまま突如入る休暇。朝早く起きてカメラを片手に街へと繰り出す。 ニューヨークに来てはじめてマンハッタンを出てクイーンズに渡り、隈さんオススメのイサムノグチ美術館とP…

デザイナー集合住宅の過去・現在・未来@新宿NSビル

A-プロジェクトプロデュース。南後さんがモデレーター。社会学の視点からデザイナー集合住宅について考える展覧会。 社会学者とデザイナー(建築家)の決定的な違いは因果関係を前提としているかしていないかなのだということだと再認識するのによい展覧会。…

2010年期待の新人

もう新人ばかりに注目する時代でもないんじゃないかと思うけど 残念ながらメディアは分かりやすくいつも新しいヒーローを待っている。 というわけでUKとUSインディーを中心にした僕の今年期待してる新人さんたち。 僕の中でも中心となっている音はエレクトロ…

相対性理論+渋谷慶一郎@渋谷AX

会場でroundaboutな東工大の面々と遭遇w 客層は男子多め。前座が二組。 最初のミカ・ヴァイニオ(PAN SONIC)+NHKは完全なノイズミュージックで 相対性の客層にどれだけ受けるの?とも思ったけど ノイズ初体験の僕でも慣れると結構楽しくなってきて どこま…

富ヶ谷I邸/千葉学建築計画事務所

RC3階建ての住宅。 ものすごくシンプルな構成だけど 階段を上がるごとに劇的に変化のある空間がよい。 大空間ワンルームの最上階はX字にかかる梁で屋根をつくっていて 部分的に天井が屋根をおいかけることで プランに出てこない空間の劇的さがある。 とても…

練馬のアパートメント/長谷川豪建築設計事務所

Aプロジェクトの大島さんプロデュース。 立方体のようなボリュームが2枚のRCの殻で構成され その殻の間が場所によって 居室になったりテラスになったり吹き抜けになったりしている。 面白いのはテラスと水回りをセットの半外部として定義することで DK、半外…

クリストとジャンヌ=クロード展@21_21 DESIGN SITE

土曜の早朝にNYとの電話会議を終えて 2ヶ月休みなしな程に忙しかった仕事が一段落したので 帰る前に寄ってみる。 クリストっていうと僕みたいな建築の人間にすれば ものすごくシンプルな手法でだけど大掛かりなプロジェクトを さらっと実現して日常の風景の…

SARU/五十嵐大介

SARU 上 (IKKI COMIX)作者: 五十嵐大介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/02/25メディア: コミック購入: 17人 クリック: 211回この商品を含むブログ (84件) を見る伊坂幸太郎の「SOSの猿」と連動する作品。 歴史の再解釈は最近多いけど これは物語を再解…

Real Cloth/槙村さとる

Real Clothes 9 (クイーンズコミックス)作者: 槇村さとる出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/02/19メディア: コミック購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (27件) を見るドラマ化もされているので言わずと知れた百貨店の洋服のバイヤーを舞台と…