思ったよりも長くなりそう。。

どうしてもここに書いて欲しいと頼まれて書いているけれど、僕自身どれほど多くの人間がこのブログを見ているのかよく知らないし、僕の予想よりも多くの人が見ているらしいけど、とは言ってもたいした数じゃないからどうやらきっと彼女もあまり多くの人に知って欲しいというわけでもないらしい。

きっとそもそも彼女は誰かに聞いて欲しくてそれを僕に話したのであって、でも話してみたらそれは僕一人だけだと物足りなくて、だからこそ僕にここに書いて欲しいと頼んだのだと思うのだ。誰かに話すことで彼の中の罪悪感が軽くなって、その罪悪感とはきっとどれくらいの人が見ているか分からないけど毎日「つくば+コンペ」でググった人が4、5人くらい来るぐらいの僕のこのあまり中身のないブログに訪れる人の耳に触れるくらいでちょうど解放される、くらいの罪悪感らしい。
また落ちたコンペの話を盛り返してしまった。まあいい。やめよう。
もっともこれは多少込み入った話でもあって、2ちゃんねるみたいなところに書いて多くの人に知られても巧くない話なのだ。(もっとも2ちゃんねるでこの話をしたところでネタ扱いされて終わるだけだろう)。ましてやもっと大規模なマスメディアに取り上げてもらうには非常に事態が込み入っている。
とにかくそういった類の話だ。


それでHghrから電話があったのが15時過ぎのことで、そのとき僕は一級建築士の勉強に励んでいて、窓から外の広場を見ると数人の学生は野球をやっていた。僕はちょうど勉強が乗ってきて合格できる気になってきたところだった。ちなみに書いて欲しいと人に頼んでおきながら名前は明かさないでくれと頼まれたのでとりあえずHghrということにしておく。全く勝手な奴だとは思うが事情が事情なのは僕も分かるので仕方がないと思うことにする。Hghrは僕のドイツ留学時代の友人で、たまたま就職活動で東京に来ていたのだけど、普段は大阪で学生をやっているコだ。勿論彼女のこのプロフィールはなかなかでたらめだけどその辺の事情は追々話していくことになる。
とにかく、Hghrは午後一の就職活動が終わったみたいで、その日の夜に大阪に帰る新幹線まで少し時間があるから会わない?と曰くありげなトーンで電話で言って、しかし僕もちょうど勉強が乗ってきたところであまり時間を割きたくなかったので、じゃあ自由が丘でならと少し無理な注文をつけてみたら、それでもいいというので僕は会うことにした。


もっとも僕は昨日の夜にHghrとは会う約束をしていて、それを夜になってなんとなく面倒くさくなってドタキャンしてしまっていたので、本来なら僕の方が出向くべきところだったから、彼女が来ると言ってくれたのは僕にとっては思いもかけない話で、内心ラッキーと思いながら僕は、彼が渋谷から東横線に乗るときに送ってきたメールを合図に、後輩から愛用のプジョーの自転車を借りて隣駅の自由が丘までの道を急いで、雨は今にも降り出しそうだった。


自由が丘に着くと彼もちょうどのタイミングで着いて僕らは改札からすぐ近くのカフェに入り、彼は重そうなバッグを抱えていた。
「土曜までいるつもりだったのよ。」
あまりに重そうなバッグについて彼女はそう説明した。
僕は抹茶ババロアダージリンを頼み彼女はダイエット中だからとカプチーノだけを頼んだ。
就職活動の状況について彼女はもうすぐ決まりそうだと話し、次の面接の急な日程が決まったから急に帰らなくてはいけなくなったのだと説明した。
「もっともそれだけが理由じゃないんだけど。」と彼女は付け加えた。
僕が抹茶ババロアを半分近く食べ終えた頃にやっとHghrのカプチーノが来て、彼女はそれに少し口をつけて泡をすするように飲むと、小さなため息をついてそのカップをおいた。
カタン。と静かな喫茶店に音が響く。
「さて。」と切り出した。
そして彼女は話し始めた。
何故彼女が殺さなければならなかったかについて。