霊園散歩

日暮里を下りて酒屋でビールを買い飲みながら谷中霊園をひた歩く。
9月とは思えない暑さなのに見上げると空の色だけは秋っぽい。
いきなり公道に面した墓があったり、旗竿地みたいな墓があったり

墓の領域のつくられかたをひとつひとつ見ているのも楽しいのだけど
墓や寺が残っていることで未だに手が付いていない周囲のレトロな雰囲気がたまらない。

遺跡の一部みたいになった徳川家の墓を覗いていると地元のおじいさんが親切にいろいろと説明をしてくれた。
なんだか遠いところに旅をしに来たみたいな気分になった。

200年も300年も昔の人の墓を見ても僕には200年も300年も立っている石にしか見えなかった。
日本全土が墓石になるまでにどれくらいの年月がかかるのだろうか。
僕なら住宅の基礎とかになるかもしれない。