空港

オープンハウスを途中で抜け出して車を借り、オーストラリアへ発つ彼女と見送りのお母さんを乗せて成田へと走る。久々に訪れる第1ターミナルの方の成田は、連休の初日ということもあって少し混んでいた。大きな空間に空港であることを色づけするようなやや機械的なアナウンスが響いている。無事にチェックインを済ませてお茶をした後、定刻になって彼女がゲートをくぐる。税関の方に向かうエスカレーターを下りていくところまで見送れるのが第1ターミナルのよいところで、彼女は泣きそうなのを必死にこらえた顔で手を振ったまま見えなくなった。
地元へ帰る車の中、お母さんと話しながら帰り道が1人でなくて良かったと思った。それはきっと彼女なりの配慮だったのだろうと僕は思った。