蟲師/大友克洋

エンターテインメントとしては正直どうかという出来だが、
原作を読んでいなくても楽しめた。
日本の湿潤な風土や郷愁的な寓話を基盤にしたファンタジックな世界観を
光のコントラストがものすごく意識されたきれいな風景が見事に支えている。
それにしても大友さん。昨今の映像がどんどんアニメ化していく中、
ものすごく実写的に撮っていて素敵。

実は今日さくらんとどっちを見ようか結構迷ってんけど
記録があふれる世の中にあってやっぱり曖昧な記憶の方が大事になっているのかなと
ふと思って、大友さんの中でおそらく原作より意識して作られた
フィクショナルな時代劇という設定に、可能性を感じている。
そういう中から掘り出されてくる日本らしさみたいなもの。
最近アニメ、映画関係が特に世界を相手にしているからだろうか。

まあでもちょっとこういう状況にも飽き飽きしてきたところ、
予告編で見た三池崇史の馬鹿っぽい次回作が気になる。
http://www.sonypictures.jp/movies/sukiyakiwesterndjango/index.html