ミュンヘンからご挨拶

ついこの前までミュンヘンも半袖でいけるじゃんと思っていたのが、あっという間に10度台前半まで落ちてそれでも温度とか長さの単位が日本と変わらないからまだストレスがないのだが、せっかくドイツに来たからと言って日本で買うよりおそらく高かったアディダスのジャージ1枚じゃ凍えるほど寒くて、真冬にはスキーウェアで町中を歩くというのにも納得がいく今日この頃になったとやっと思えるようになったと書くこの日記も1ヶ月ぶりなんかではきかないくらい久々になってしまった。


それでも25を終えると完結してしまうサイトもあるのならば、ゆとりのある今でこそ書きたい。学校の始まっていないこっちでのくらしはオフレコだけど暇で (と言って歩いてる人が日本にいるみたいなんだけど)、とにかく旅をしたりサッカーを見たり美術館を歩いたり、自分の食べる飯をつくったり草原で昼寝をしたり1リットルのジョッキでビールを飲んだり、酔ったままジェットコースターに乗ったりテニスをしたり予定がないけどのんびりしてサーフ状態で楽しい日々が続いている。と書いている今日も2日前にうんざりするほどビールを飲んで禁酒を誓ったその誓いを3日と持たずに忘れて2リットルのビールとグラス3杯ほどのワインを飲んだ帰りだけど、それでもここ最近の中では少ない方だ。


先週の話しをしてもいいのならとにかくバラックの間接フリーキックからの豪快なミドルには本当にしびれた。その前のマッカーイのボレーもすごいものがあったけど、同点に追いついてみんなテンションが上がっている時だっただけにしばらく立った鳥肌が納まらない感じ。もしかしたら日本でも放送したかもしれないバイエルンと首位レバークーゼンの3-3の試合だった。カーンは僕の見る限り本当に眼が見えていなくて反応が常人以下になっているので少ないシュートの数とほぼ同じくらいの失点をしていた。あれでは当分は使い物になりそうにない。


この街はとにかく非日常的な要素が全部日常から手に届く範囲にあって、ガスが溜まらない。広大な自然も酒場も夜通し騒げる場所も質のいい音楽も美しい絵画も雪山もサッカーもプールもちょっと洒落たバーもすぐそこにごろごろと転がっていて、張り切ったり割り切ったりしない日々の暮らしに入り込んでいる。だから反面埋もれてしまう可能性が怖い。この街にいる限り人生はステキだと思えるのだが、そんな幸せな人生に僕は耐えられるだろうか。