アテネ入り

crz_joe2004-07-08

前日来学期からシュトゥットガルト工科大に留学する坂本研の後輩で今はミュンヘンに語学留学中のMKらと夜中の3時近くまで飲んでふらふらのまま自転車を漕いで家に帰り、翌朝7時起きで空港から2時間半の空の旅を経てたどりついたアテネはドイツでは考えられない暑さと空の青で、出るなりいきなりバスがストライキ中で市内に出れない不愉快さなのだけど、地下鉄こちらの看板に沿って歩いていくと思いっきり工事中で、それは工事中というよりも放棄中にも見えるくらい閑散とした工事現場で、僕はのっけからこのいい加減さを疑う。仕方がないのでタクシー乗り場の列の一番前で待っていた2人組にタクシーをシェアしないかと持ちかけ、半ば強引に乗り込む。中心のシンタグマ広場に着くと、ちょうど広場に面した国会議事堂の衛兵の交代の儀式に遭遇した。ツーリストインフォメーションが見つからなくてムカムカし始めたところにKRVから電話。近くまで着いたというので、macオープンカフェでドイツ語の村上春樹を片手に待つことにした。夏の空の青によく映えた黄色いタクシーの、相乗りを狙う若い女の子たちの群れがタクシーが通るたびに歩み寄ってはまた一歩下がっていく雑然とした風景を、パラソルの上からの鳩の来襲に絶えながら眺めていた。広場の工事は全然進む気配が無く、時々すさまじい砂煙を巻き起こしているだけだった。
ようやく合流できた頃にはもう夕方で、2人でまたインフォメーションを探すけどやっぱり見つからない。やっと見つかったと思ったら廃墟になっていて、ドアにはただ新しい住所だけが刻まれている。何という不親切さだと思いながら道を尋ね尋ね、やっと狙いの通りに出るが、あまりの目だたなさに気づくと通り過ぎている、ギリシア人どうも馬鹿らしい。
宿に着くとまたしたはずの予約が入っていなくて、でも僕はそのフロントの人の声を覚えていたので、いや確かに貴方は電話を受けたはずだと言って自分で自分の名前の書かれたメモを発見し、これだよあんた忘れてるよと言ったらちょっと待ってくれたら部屋を用意すると言われたので僕らは街に戻り、オランダ以来2ヶ月ぶりの再会を祝った。