日本vsドイツ

　まだ僕がミュンヘンに住んでいる頃に決まったときからずっと楽しみにしていた一戦、ドイツー日本戦。チケットが取れなかった僕は結局渋谷のスポーツバーで、ドイツ人3人と日本人2人で見ることになった。
　もっと雑多としたところを予想していたのだけど割に落ち着いた小ぎれいなバーで、周りは殆どが女の子。チャンスの度に黄色い歓声が上がる。店の中央でドイツ代表のユニフォームを着る僕は今日は日本代表に微塵の魅力も感じなかった。
　ユーロ2004で予選敗退して監督が辞任し、ホスト国の責任を負いかねてなかなか監督の決まらなかった低迷するドイツ代表。1トップだった攻撃陣をクリンスマンは2枚も増やしていた。期待のホープ、ポドルスキー、ドイツには新しいプレースタイルを持つアザモア、何故か日本で見るとキレのあるクローゼ。そしてトップ下に我らがバイエルンのエース、Mバラック。ダイスラーもフリングスも欠いて完璧ではない布陣も今日はバラックがいれば問題にならないという強さ。ヴェルンス率いる巨大DF陣もそつのない仕事っぷり。後半は2010年には間違いなくエースのBシュヴァインシュタイガーも入って、最後の方は周囲に申し訳なくなるくらい強かった。
　これより全てのことがいい方向へ向かうだろう。そんな風に思わせる勝利に、僕らは上機嫌で渋谷の街を歩いた。