the Faint

音だけ聞いてもどんな編成なのかすら分からないようなバンドだったけど、始まってみるとドラムの前にボーカルとギターとベースとサンプラーが4人前列に並ぶ5人編成で、サンプラーは僕らの目の前で横を向いて踊り狂いながら鍵盤と機材をいじっているし、曲によってはギターも弾いている時間より首を振って動き回ってる時間のが長く、曲の盛り上がりはボーカルのない間奏のリフレインにあって、ベースだけは職人のように仕事をこなしている、と思わせておいてやっぱり地味目に踊っており、僕はこういうヒエラルキーのないバンドは最近非常に増えたと思った。
バックには曲ごとに全部オリジナルな映像やPVが音とドンピシャで流れていてそれだけ見ていても格好いいし曲間にThank you!とMCを始めたのがボーカルでなくサンプラーのアフロで、見ている僕らはみんなおまえかよ！と突っ込みを入れたかったが、とにかく楽しかったしカッコよかった。セットはアンコールも含めて1時間で終わる短さだったが、僕が想像するに曲はもっとあったけどきっとあれ以上映像がなかったからあれで終わって、僕はとにかく聴きたい曲は全部聴けたという感じだったし大好きなTalking HeadsのPsycho Killerのカヴァーまで聞けてよかった。いいライブというよりはいいエンターテインメントという感じだったが、演奏もかなりよかった。