人間そっくり/安部公房

人間そっくり (新潮文庫)
現実というものがかくも曖昧で、周りのコンテクストを集積させることでのみしか現実の現実たる所以を語れないのだということを安部公房は見事に逆手にとっている。
面白いよなー。
最近SFを面白いと思うのは、そこにサッカーみたいなデザイン、つまりものごとがある起点からジェネレイティブに発展している状況があるからだと思う。
ひとつルールを決めたときにそれが次にどういうデザインを派生させるか、で派生したものからまたさらにどうつながっていくか。
その想像力にふれるのが非常に楽しいのだ。
その構造が単にツリーじゃなくてラチスになっていたり、ましてや入れ子とかになってたりしたらもう僕は発狂ものだね。
最後にできあがったものを見たときにデザインの中にそこにたどり着いた思考が見え隠れするようなものを、僕は日々追いかけている気がする。