14年越し

この瞬間を幾度夢見たかしれない。
夢という言葉よりは妄想の方が相応しかったかもしれない。
だから正直。夢にも思ってなかった。
ロッテがピンクのダサいユニフォームで千葉に移転してきてから14年。
そのニュースを知った当時、僕は野球少年だったはずだ。

当時マリンスタジアムはいつもガラガラだった。
ロッテファンだと言うと同情を含んだ目で見られる思春期は
僕に反骨精神すら植え付けていった。
どんなに連敗を続けても意固地になって応援を貫いた。
まさにMARINES IS MY LIFE。

優勝を決めた瞬間、散々千葉テレビの中継に付き合わされてきた両親も大喜びで手を叩いた。
メールが3通くらいまとめて来て、携帯を片手に胴上げを見た。
あまりに緊迫しすぎた試合展開のせいもあって正直何が起こったのかよく信じられなかった。
一段落すると土砂降りの中傘を差して外に出て、ロッテファンの友達に片っ端から電話を入れた。
長かったね。ついにここまで来たね。強くなったね。
帰って喜びに浮かれる選手たちをテレビに見ながら電話をさらに3件ほど受けた。
気づくとほとんどが僕の影響でファンになった人ばかりだった。