高円寺集合住宅オープンハウス/千葉学

TPOの企画の集合住宅。
建築事務所って入ってみるとアトワンみたいに殆ど全部を作品発表できている事務所ってなかなかなくて
未発表の作品も結構あったりするのが分かるけど、その中でこれは建築雑誌には発表できないけど
penやbrutusには載るんじゃないかというそういうところにある。

思い切りシンメトリーにつくられていて、正方形の平面を均等に4つに割ったプランの外周は
全て磨りガラスで囲まれて、かなり意図的に方位が均質に扱われている。
全く集合住宅っぽく見えないところが面白いところでもあると同時につまらなくもある。
でも南向き志向という不動産の定石を度外視して、言ってみれば全方位型、全天候型な集合住宅。
多分南向きの部屋は雨の日がよいし、北向きの日はよく晴れた日が気持ちいいだろう。
僕がこの担当ならどう作品化するかについて見に来たkrvと話しながら考えた。
多分ふたつくらいやり方はあって、ひとつはシンメトリーな立ち方とか緑が見えて気持ちよい中央の廊下から
室に入る体験を強調するような今建物にある魅力を最小限の手法で最大限に引き出すやりかた。
もうひとつはパラメータがひとつ足りないと踏んで、バルコニーの位置を室ごとに適切な向きに張り出させることで
集合住宅っぽくない見え方に集合住宅としての要素を持ち込んで、
集合住宅としての見え方に問題意識をもっていく方法。



まあでも不動産屋との仕事で結構ざっくり方位を切り捨てたような手法はある意味気持ちが良かった。
水槽を上からのぞき込んでいるような磨りガラスと内外の見え方の関係も僕は発見的なものを感じた。