マイ・アーキテクト/ナサニエル・カーン

crz_joe2006-02-11

朝いつも通りの時間に起きて、目的地を一駅分だけ南西にズラし、朝からラブホテル街を練り歩いてたどりつく北山さんの新しい映画館。けんちくはぜんぜんつまんない。。


カーンの愛人の息子が亡き父の素性と最期を知るためにその建築や関わった人々を訪ね歩くドキュメンタリーなんだけど、見ているうちに僕は実はカーンの実作はひとつも見たことがないことに気づく。
それにしても良い映画で、カーンの言葉からその社会に対する不器用なふるまいから
美しいシーンから所員の言葉まで本当に学ぶべきコトが多いのだけど
そもそも建築を志す男子というのは人よりも何かを残したいという想いはつおいわけで、
そういう男子にとって息子というのは格別な存在であって、
その事実はまた僕に生きる意味や生き方への疑問を投げかけてくる。
そしてその息子にとっては父親は巨匠でも何でもないただのひとりの父親で、
彼が初めて訪れたソーク研究所の中庭をローラーブレードで走り回るシーンというのは
既存のものの発見によって成立するポストモダン社会を象徴する以外の
何ものでもないという感じがする。