AVALON/押井守

甲殻機動隊の影響を受けたと言われるマトリックスに対する本家からの返答実写版みたいな位置づけになるのかと思うけど、
やっぱりマトリックスを超えて存在するものが押井流の
目的地にあるある種の虚脱感を描くことによる虚構社会への皮肉みたいなレベルで終わってしまっているところがつまらない。
それならまだ虚構の魅力を最大限に描くべきなのにと思うけど。
たとえば茂木健一郎が指摘するひとつのものの見方のように、
この世界はまったくひとつのものとして実存するわけではなく
各個人個人の脳内現象によって共有されている錯覚でしかないという見方もできるわけで、
そういうメタレベルにおいては現実も虚構も変わらないことになるから、
だとすればもっとその差異を明確にして演出した方が面白いような気がする。