埋もれ木/小栗康平

埋もれ木 [DVD]
明日はひさびさに何もしない日にしようと決めTSUTAYAでなんとなく手にして借りてみる。
ほとんどのシーンでカメラは動かずに風景を正対して撮っていて、
そのシーンの中に人が出たり入ったりすることで、
あるいは次のシーンで90度振ったところからの視点を加えたりすることで
世界の奥行きが形作られていく。
時代の設定も場所の設定も極めて曖昧で
ものすごく田舎のようでみな標準語をしゃべるし
山の奥のようで海の存在をどこかに見え隠れさせる。
想像が突然絵になったり、いつのまにか想像の世界と現実の境がなくなっていたり
誰かの夢を覗いているかのような気分になる。
ここでは美しいランドスケープがまずあって、人間はその一部でしかない。
日本映画が世界に誇るべき傑作を見たように思う。