反プロダクト主義

気分転換に模型の車をつくっていて、それの車種を聞かれてふと困った。そういえば最近車の種類に全く興味がなくなっている。
実際自転車を愛用するようになって車に興味がなくなったというのもあるのだけど、マーチャンダイズとしての車に全く興味がない。
アーキテクチュアとしての車に興味がないわけではない。車でたとえば首都高をぐるぐる回ることとか、海岸線をひた走ることとか、車を使って楽しいことをすることについて否定的ではない。でもどういう車種がいいとかどのメーカーがいいという情報が、最近僕の中から完全に欠落してしまっている。
そうやって考えていくと、いろんなプロダクトに対する興味がものすごく薄い。自転車を愛用しているけれど、それを使って街を飛び回ることとか、走るのに速いコースを見つけることとかにはとても興味があっても、新しい自転車が欲しいとはさほど思わない。
もちろんそれなりに洗練されたものが欲しいとは思うし、よいものがつくりだせる空間というか空気に対しても否定的ではないんだけど、僕は持ってしまうと体の一部のようにそれを酷使する。服でも靴でも携帯でもカメラでもなんでも。貧乏な学生生活が長かったせいなのか分からないけど、最低限あるものを使ってどれだけ楽しいことができるかを考える方に頭がなれてしまった。