TRON/スティーヴン・リスバーガー

TRON [VHS] [Import]

1982年作品。当時CGを導入した先駆的な映画として話題を呼んだはずだ。
しかしこの映画がすごいのは映像技術ではなくヴァーチャル空間の存在を
陳腐ではあるがヴィジュアルとして示したことだと思う。 
82年と言えばパソコンもマイコンと呼ばれていた時代。


映画では、人間のつくるプログラムがヴァーチャル空間では擬人化され
自分で考える意志を持ったプログラムMCPが絶対的に支配している空間に対して
つくったプログラムでハッキングをしかけると
擬人化されたプログラムがヴァーチャル空間で戦車に追い回される。
空間自体はビデオゲームが普及し始めた当時の影響なのだろうが
25年も前にそんな世界の関係を画にして示すって結構すごい。
距離という概念が存在しなくていいはずのヴァーチャル空間の描かれ方としては
すごくひどいけど、今だってちゃんとそれを描いた映画もないもんね。


人間とプログラムが等価に扱われているというところが面白い。
人間を機械によってデジタル化するとプログラムになっちゃうの。


何かと何かの共有点にフィーチャーして無理矢理同じものとして扱うってのは
デザインのあり方として王道だし。