建築がうまれるとき/ペーター・メルクリ、青木淳@国立近代美術館

crz_joe2008-06-07

久々の土曜朝一展覧会。


青木さんはひとつの住宅にかかわるスタディの展開を時系列で並べていく。
その展開はきわめて非線形的。
建築という外形だったり空間だったり使い方だったりいろいろな次元が交差するものを
あえてひとつのことに着眼してスタディしているように見せることで
手作業の積み重ねから生まれてくる発見の楽しさとか可能性を伝えようとしている。


ときどきあまりに不器用なのでイラッとするんだけど
先まで見通して切り捨ててしまうことで
その途中に見落とされてしまう手探りな発見の可能性にこそ
アトリエ事務所の存在意義があるかもしれない。
僕のことに着いて言えば仕事量が増えるほど要領がよくなるほど
最近はそういう行為から離れている。


見ていてふと、プロセスを示されるときって
それが非線形であるからこそ、セレンディピティに溢れているからこそ
魅力的なんだとあたりまえのことを思った。
誰も有名校を出て東大に入って官僚になった人の自伝なんか読みたくない。


もう一人のメルクリはあの独特なスケッチが並ぶ。
建築なのかそうでないのかもエビフライなのかも分からない微妙なスケッチの中に
探求されていく建築のありかた。


首尾一貫していないことの中にある楽しさ、人間らしさが会場にあふれていた。


ibn&Fjiのゲイカップルに出くわし昼飯を食う。
途中で滑っても滑ってなかったことにしてしまうibnの自伝なら将来読んでみたい。