サクリファイス/近藤史恵

自転車のロードレースをテーマにした話題の小説。
ロードレースのチームプレイの異質さをものすごくうまく題材にしている。
チームのエースを勝たせるために風除けになったり他のチームのエースをけん制したりするアシストと呼ばれる人が話の主人公。
アシストする側とされる側の絶妙な反転がものすごい美しさを生んでいる。
そしてきっとそれは日本人的な価値観でもあるのだと思う。


最近の僕自身の仕事。たくさんいる慶応の学生や新人をオーガナイズしている極めてアシスト的な仕事。
はっきりいって自分でやったほうが早い。
でも考えてみればそういう周りを盛り上げて、隙間のところだけ自分で作業してゴールへ押し上げていくみたいなのが好きなんだと思う。
それは大学院の2年間で極めて優秀な周りの同級生の間でボランチのように動き回っているだけで仕事がはかどったあの頃に多分起因している。
勿論自分でゴールするのが嫌いなわけではない。隙があればいつでも抜け駆けする。
でもアシスト向きだよなって最近はよく思う。
まあしっかりしたエースが必要ですけど。。

サクリファイス

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