スカイ・クロラ/押井守

crz_joe2008-08-17


びっくりしたのは新宿で2館も上映していてしかもそのうちひとつはほぼ満席になっていたこと。
みんな押井守をどれほど知っているのか。。。
決してみんなに愛されるアニメーターじゃない。
大友克洋よりもあの庵野秀明よりもひねくれたアニメーターじゃないのか。。
僕は好きだけど。


森博嗣の原作を読んでないので何とも言えないが
非常に押井守的なアニメになっていた。
実態のない戦争への嫌悪感をこれまで以上にアイロニカルに描いている。
ビジネスとしての戦争、ルーティーンワークとしての戦争。
そしてそういう日常の中で蝕まれていく記憶。


画はものすごく細かい描写と淡い彩度で美しい。
背景は実写のような精度のCGでキャラクターはベタ塗りなのが最近の流行みたい。


八丈島でふと回りの風景を見ていてアニメみたいだと思ったのを思い出す。
描かれている在りそうでない世界と、有り得なそうで在る世界。
そのボーダーは結構曖昧になってきているように僕には思える。
記憶の中に思い出される画には現実とつくりもの差なんて微差だからだ。



ものすごく美しくて悲しくて、いいアニメだったが
一般大衆向けでは全然ない。