シャングリラ/池上永一
- 作者: 池上永一
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/10/25
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格差をつくりつづける脳梗塞状態の資本主義が終わって、
国単位での炭素の排出量により国際的にあらゆる製品に関税がかけられる炭素経済がスタートする50年後の世界を描く。
東京は品種改良された植物によってものすごいスピードで緑化されることで税金を押さえ、
人々は温暖化で住めなくなった地上部から離れて巨大な空中都市を
鉄に変わり軽くて丈夫な炭素材でつくって住んでいる。
という設定はすごく面白いし、まさにこのどうしようもない世界恐慌の中だけにリアリティがあって、生まれるべき新しい価値観のヒントになりそうなものがたくさんあるのだけど、
途中からオカルト的かつマンガ的展開になっていって万人に薦めるにはちょっと躊躇う。
経済はフラフープみたいだと最近よく思う。
すごい勢いで体を動かせばどんどん早く大きくフラフープは回転する。
だけど一度その勢いを止めるとフラフープは最終的には下に落ちてしまう。
落ちてみてそのフラフープをよく見ると実はフラフープそのものは5年前とほとんど変わってないじゃないか。みたいな感覚。
この本の中でも経済を回転させることだけに没頭したシステムは最終的に経済の破綻を来している。みんな手を汚して農業でもやりゃいいのにさ。
とよく思うこのごろ。