アーティストファイル2010@新国立美術館

旬の若手アーティスト7人を集めたアート展。
分かりやすくて面白かったですこれ。


まず目が止まったのが桑久保徹さんの油絵。
不思議な心象風景が同じ構図で何枚も描かれているのだけど
かなりざっくりしたタッチなので
その絵の中の奥行き感(字義通りの)が画との距離によってすごく変わる。
近くで見るタッチの中に表現されている奥行き感と遠くから感じられる絵の奥行き感と何枚もの画を比較しながら感じるフェノメナルな奥行き感とが頭の中でぐるぐるする。


一番心をざわざわさせたのが
本や文書を解体し再構成して表現としている福田尚代さんという作家。
葉書の文字を刺繍で縫ったり、本を切り刻んだり折ったりして作品を作る。
モノの価値を徹底的に否定して新しいものを作り出しているところがいい。


壁に模様を書いては消しながらその様子を連続写真に撮ってアニメーションをつくっている石田尚志さんもよかった。
壁に映る窓の影をひたすら追いかけながら絵が増えていく。
そこにかかっている時間を推し量って楽しむ。


予想以上に楽しめました。5/5まで。