風に舞い上がるビニールシート/森絵都

直木賞受賞作。
自分らしい生き方を模索する人々の短編6編。
表題作が特にいい。
世界のあちこちで起こる難民問題の解決に奔走する主人公の元夫。
風に舞い上がるビニールシートを必死に押さえているようなものだと
その表現がよく分かる。
少し青みがかった空気の色が小説の中にあふれている。
多少予定調和的なので読んでいてどんなまとめ方をしてくれるのかと
根性の歪んだ気持ちで読み進めたけど、
でもなお、ああ清々しい。と思ってしまう。

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)