マイノリティ憑依

原発について最近よく思うのは、何十年もこれが国益のためだと思って研究を続けてきた原子力関係者にとって、突然君のやっていたことは諸悪の根源だったと宣告されることって一体どんな気持ちだろうということで、僕だったら辛くて生きていけない。
せめて別れを惜しむくらいの時間が欲しい。
だいたい官僚にしても原子力関係者にしても僕より全然頭がよくて優秀なのだ。そういう人たちを十把一絡げに批判してモチベーションを抹殺する社会は全然好きじゃない。うまくおだてて転がしていい仕事させたほうが社会はよくなる。そうじゃないから税金払う意味がどんどんわからなくなった。
変わらなければいけない時代に批判して潰しあってどうするのか。
原発事故以降、マイノリティに憑依して相手を批判し忌み嫌うことでしかアイデンティティを見いだせなくなっている人が増えた気がしてならない。

「当事者」の時代 (光文社新書)

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