掃除と革命

うちの研究室が一番団結しているときって掃除をしている時だ。普段は学年単位で動くことが多いので、M2が 実施設計をしているのを、僕らは内部空間と外部空間を同時に思考できない半年を送りながら恨めしそうに見ている。掃除というのはTY氏が貧乏性で展示会な どあるたびにいろいろ持って帰ってきてたまっていくのを1ヶ月に1度くらい発作的に捨てる行事だ。当然僕らは豚みたいにブーブー文句をたれながらみんなで 肉奴隷のように働く。僕らはダンボールのテレビを組み立てても怒られないが、ちょっとサボっていると理不尽に怒られる。だからいい加減に胃がムカムカして いるに違いないが、それでもこれ捨てての訓示を受けると赤ベコのように頷いてはガラクタをかたずけてしまう。4月に研究室に入ってからというもの、僕らは つくったよりも遥かに多いものを捨てた。しかも細切れにして捨てた。この間僕は丸ノコを2台おしゃかにし、1台は自力で直し、1台はアートユニバーシアー ドの金を使って修理した。おかげでモノを細切れにして捨てるというスキルで我々にかなうものはいないかも、と断言できるまでになった。もしこれを読んだ人 で誤って誰か殺してしまった人とかいたら僕らに頼んでみて欲しい。俊敏に細切れにして生ゴミで出すか、もしくはバイオマス発電に使う。そうすれば一酸化炭 素や煙は出ない。とは言えこの非生産的な時間にはTY氏に対する不満が革命前の団結感のように募るステキな空気があってよい。