さくら/河口恭吾

ロッコから帰ってきたらかつてのバイト仲間の河口恭吾(URL)が有名になっていた。
運送屋の下請け日給8000円。
そんなバイト仲間でシンガーソングライターの河口君。
ほとんど社会の底辺みたいな世界だった。
僕は彼のシングルCDを3枚持っていた。
記憶ではどれも本当に売れなかったと思う。
彼がその後アルバムを出したとき僕はついにそのCDを渋谷のHMVでもタワレコでも手にすることが出来なかった。
僕がヨーロッパに発った後そのCDの中に入っていた1曲がワーナーレコードからシングルカットされた。
それが今売れているらしいという噂が風にのってヨーロッパまで届いてきた。
有線大賞まで取ったのだそうだ。
彼が1枚目のシングルを出した後に1度だけ僕は彼とバイトで一緒になった。
全然気取るそぶりもなく本当にいつまでも変わらない作業着の似合う気さくなナイスガイだった。
見たらジャケット姿になっていて笑った。
僕のCDはかなりレアなコレクションになった。
頑張ろうと思った。