ベルリンの2

バレンタインデー。こっちじゃ女の子が何かもらえる日みたい。街でバラを配っていた。でも空は雲を塗りたくったような暗い天気、美術館を回る。最近18c-19c前半の絵画を頭脳が受け付けなくなっていることに気づく。絵画としてもの凄く博物館的なのだ。その時代の様子がしっかりした描写力で描かれているから真っ先にへえ昔のベルリンはこんなだったんだとかこんな服着てたんだとか思ってしまう。知識を享受できてしまう絵画の見方って本当に好きじゃない。説明の聞けるヘッドホンも好きじゃない。楽しみにしていたOMA展が終わっていたナショナルギャラリーも好きじゃない。OMAの次はMOMAってつまんない駄洒落だよ。好きじゃない。
何度か言ってる気がするけど右脳で理解することと左脳で理解することの違い。そのオーバードライブこそが建築のFUN。
2日も歩き回るとだいぶ街を把握してくるのだけどふとベルリンの壁をどこにも見ていないことに気づく壁博物館に行く。ドイツ人がいかれてるところは戦時中に600万人ものユダヤ人を殺しておきながらいざ壁の話になると人間の自由の話をしちゃうところ。重たい。
単に重たい雲とリベキンを見たせいかと思っていたけど本当にベルリンが街として重たいのは壁があったことのコンテクストなんか蓋をしたいかのようにガンガン建ててしまったところ。それでいて今の経済難であちこちの現場が止まっている。ツムトーなんか本当はとっくにできてるはずだったのにまだ土の山。唯一まともに動いていた現場がアイゼンマン鉄雄のユダヤ慰霊碑。楽しくて悲しい都市。