ベルリンの4

朝一郊外に出る。ザオバーブルヒヒュットンのカラフルブラインドアメーバを見る。早朝自主練習。OMAのオランダ大使館も見た。外構工事を残すくらいで殆どできていたが中には入れなかった。
何だよ入れないのかよお高くとまりやがって。とか。
午後。予定されていた建築巡礼は全て完走された。夜ご褒美にシャロウンのフィルハーモニーへ。クラシックコンサートなんてまともに聞いたことのない育ちの悪い僕なので初めて踏み込む社会性にかなりドキドキ。学生だと30ユーロくらいの席がかなり安くて13ユーロ。開演前ワインを片手に談笑する紳士淑女らを見物。年齢層はかなり高い。ホールの階段の入り組んだ構成がこういう社会性に一役買っていることに気づく。あの階段を上るのってかなり高揚感を煽るのだ。
コンサートの前半はジョシュア・ベルというバイオリニストが出てきて弾いた。僕も彼の一挙手一投足に釘付けにならざるを得なかった。彼はバイオリンの精みたいだった。若くてハンサムで激しくバイオリンを弾くのだけどそれでいて品があった。汗を拭う姿でさえ気品に満ちあふれていた。
音響は本当に良くて毎晩世界でも指折りのハイレベルな音に満たされるこの空間がもの凄く幸せそうに見えるのだった。幸せな建築。
逆に今日見たペローのオリンピックプールは本当に不幸せな建築だった。オリンピックのためにつくられてオリンピックが来なかったただの巨大なプール。最も設計自体もイマイチ面白くなくて、堀込まれているから丘の上に建つとちょうど巨大な屋根が見えるのだけどそれが設計に何もフィードバックされてない。不幸。