メスブダ

crz_joe2004-06-29

行明け電車の中で親切なハンガリー人のおじさんと一緒になった。僕が何も街の情報がないのだと言ったらインフォメまで案内してくれたり、いろいろと面倒を見てくれた。一緒に観光しそうな勢いになったので適当なところで礼を言って僕はまた独り旅を選ぶ。ブダはプラハと街の構成が似ていて、中央南北に川が流れていて街を二分しており、西側には高台があってまた城がある。ここまでは全く同じで違うのはスケール感と街のきれいさ。ブダのが川幅も含めて倍くらい大きくて、街は石が排ガスで真っ黒になったみたいな建物が多く、洗練されていない。1キロ近くはありそうな橋を対岸に渡りながら僕はプラハの方が好きなスケール感だったなと思った。宿を抑えて高台の城に上ると、中は普通の街区が広がっていて面白い。端っこの方は美術館になっていてそこでKlistインスタレーションを撮っている写真家Wolfgang Volzの展覧会をやっていた。僕は教会の前のカフェで対岸の国会議事堂を見下ろしながら昼から1人ビールを飲んだ。川沿いを黄色いトラムが行ったり来たりしていて、たくさんの車がその下を走っていて、そういう生活の基盤が街の風景の一端を担っているのを見ていると僕はこの街も悪くないじゃないかと思った。
国会議事堂は本当に格好良くて僕はモニュメンタリズムや日本の国会議事堂のことを考えていた。あれを建て直すとしたらどうなるのか、タイムマシーンがあったら500年くらい戻って伝統的な様式でそれを建ててしまうというのはどうだろうか、などと考えながらだいぶ酔いが回っていることに気づいた。