サントリーニ

crz_joe2004-07-11

朝8時前、まだ太陽が頂に白い街を抱いた高いガケに隠れて見えない頃僕らは島に到着した。バスでいろは坂みたいな坂を上って台地の上を走り、島の中心フィラという街に着く。軽い朝食をとって眠りから覚めたばかりの白い街の細い路地を歩いていく。ガケの斜面に白い家々が所狭しとへばりついてて、谷側の家のパラペットが路地の手摺となり同時にベンチにもなっている。眼下にはテラスが階段状に重なって見えていて、家々の隙間の階段がうねうねとそれらをつないでいる。見下ろされるテラスの背景には紺碧のエーゲ海が広がっていてテラスの上にはポツポツと優雅な朝食風景が繰り返されていく。白い陸屋根の上にソファとテーブルをレイアウトすれば全ての建築家を否定してしまいそうな気持ちの良い空間ができている。狭い階段を下りていくとプライベートとパブリックの境界に踏み込んでいつの間にかホテルの部屋とレストランの間を抜けている。こんな楽しい経験があるだろうか。多くの日本人建築家がこの場所から多大な影響を受けたのだということを頭の中にフィードバックされるいくつかの空間と共に瞬時に理解する。かつてないほどにエキサイトする時間帯。
風景に飽きてくると僕らは昼飯を食べ、スクーターを借りてチームを結成した。久々の2輪に2ケツで少しビビりながら島を控えめにぶっ飛ばす。とりあえず紺碧の青よりも透明なブルーを目指して丘を滑り降りていく。ビーチでアルメニア人をけしかけてサッカー。砂が灼けるように熱い。僕はすっかり2週間前のバレーボール大会であばらにひびが入っているのを忘れていて、ものの10分でグロッキー状態に。仕方ないので僕はその後海にも入らず浜辺で横になった。ものの30分で体は完全に真っ赤になったけど、それがもたらす状況を鑑みることなく僕らは水着のままスクーターにまたがって更に次のビーチへと向かった。