3トリーニ

crz_joe2004-07-13

今日発のフェリーのチケットのことをしばし忘れて朝からイラの街をいろは坂状にくねくねと下って港に出、エメラルドグリーンと紺碧に塗り分けられた岩場を潜る。何とかして昼飯を確保したかったがウニを1匹捕まえて本当に少ない身を食べただけだった。僕の指にはヤツのトゲが残った。結局タコを焼く匂いに負けて昼飯は海辺のレストランで食べた。地元の子供が港であるにも関わらず飛び込んで遊んでいるのが楽しそうだった。午後潜りすぎてあばらが痛んだので僕は岩場の日陰を探して昼寝をした。昼寝を終えるとまた潜った。かなり風が出てきて荒れ模様になってきたので僕らは無理矢理街に戻る車をつかまえて宿へ帰った。そして少しだけひんやりし始めた夕方の風をかんじながらまたうとうとしていた。再び街に出るとものすごい数の観光客が集まってきていて今日も夕日は確かに沈むようだった。僕らも群衆に押し流されるように今日も街の端へ出て沈んでいく夕日をボーっと眺めていた。すっかり日の暮れた街を戻ると、昼に港で遊んでいた子供の1人が自分の工作を売っていた。僕は自分の小学生の夏休みを思い出さずにいられなくて、時間が流れていくことにあれだけ無頓着でいられた頃のことを懐かしく思った。そして今その時間に少しだけ戻れている自分が少し嬉しかった。