ハンブルク

crz_joe2004-07-31

3時頃に泥酔状態でパーティはお開きになり、それでもなんとか6時に真っ赤な顔のまま起きた僕は、ハンブルク行きのICEに飛び乗り、へたな飛行機よりもよっぽどゆったりとしたシートでぐっすりと眠る。
ハンブルクは一見すると完全な港町だからまずここがまだ海からかなり離れていることが不思議なのだが、運河や飾り窓、レンガ造りの建物が並ぶ風景はドイツよいうよりオランダに近い感じで新鮮。右も左も分からぬまま町を歩いていて突然チリハウスを発見し1人エキサイトする僕。
ところが空の厚い雲はしばらくして結露して落ちはじめ、見たこともないような豪雨となった。僕はピロティの下で運河に叩き付けられる雲の固まりをぶぜんと眺める。見ると小石大のひょうが混じっているではないか。
「七月のひょう」
和文学史にも名を刻めそうなタイトルだと僕は思った。
きっと戦争中に両親を亡くしたけどその意味をちゃんと理解できていない主人公の子供が生まれて初めてひょうを見て、そのことを話してくれた両親が今はいないと改めて認識するとかそういう話だ。そしてひょうの降った2週間後には戦争は終わるのだ。
僕は雨が弱くなるのを待って傘を開き再び街へ繰り出す。30分もすると雲は全部落ちてなくなったかのようにすっかり青空になっていて少し蒸し暑い。そんな中を僕はカメラを片手に現代建築を探して回る。