フジヤマ

久々に天気がラブリーでそれだけでもう幸せになる。大岡山で東急大井町線に乗り換えて緑が丘に向かう途中、富士山が見えてそれが僕をもう少しだけ幸せにさせた。

夕方誰が言いはじめたのか、気付くと研究室総出で屋上へ見にいく夕日。夕日の角度とそれを眺める僕らの位置がつくり出す偶然がどこまでも際限なく広がる町の所々にキラキラをレイアウトしている。レイアウトは時間と共に少しずつ変化していって僕らの周りをランダムに右往左往してゆく。夕日越しに霞んで見えた富士山は遠くて、でも夕日そのものは更に8分も僕らから遠かった。夕日が沈んで紫が街を染めはじめると僕は少しだけ寂しくなった。