ガタカ/アンドリュー・ニコル

ガタカ [DVD]
年始にドイツ人の友達と僕らの時代の過渡期にいるような世代が革新的でありつづけられるかそれとも保守的になっていってしまうのかみたいな話をしていたときに、何故かゲノムテクノロジーの可能性に対する意志決定の話になって、そのときに見た?と薦められたSF映画だったが、ミュンヘンヘルツォーク研の櫻井さんからの年賀状メールにも、休暇でこの映画に出てくるF.R.ライトのマリン・カウンティ・シビックセンターを見たらしい写真が貼付してあって、何か巨大な力が僕にこの映画を見させようとしているらしい感じを受けたので寝たい時間を頑張って削って見た。
撮影シーンの極めて限定されたいわゆる低予算SFだけど、遺伝子の優越によって階層化されてしまう社会に生きる若者が、逆に遺伝子によって統制されている社会システムを逆手に取ることで交換可能にする人生を生きようとする物語。かなり秀逸。
このアンドリュー・ニコルという人はトゥルーマン・ショーの脚本も書いた人。社会システムと空間の関係を想像して描ききる才には非常に長けている。