世界の中心で、愛を叫ぶ/行定勲

留学から帰ってきて一番ついていけなかったのがセカチューブームだったのだが、今日たまたまつけたWOWOWでやっていたのではじめて見た。もともと片山恭一という作家は嫌いな方でなかったのだが、それは僕が無類の村上春樹好きだからだろうと思う。
彼は明らかに村上春樹の影響を受けていて、でも人をどん底にたたき込む程ではないくらいの良心的な作家だと僕は思っていた。
で、最近僕のムラカミズベストは「ノルウェイの森」から「風の歌を聴け」にシフトして、僕の中でそれは僕が真っ当に歳をとったからだと思っていて、ノルウェイの「僕」が直子のことを思い出せなくなることを本当に幸せなことと僕は思うようになって、人が死なない小説を好んで読むようになった。
なんて映画を小説のように批判するのはおかしな話だけど、人の死を軽んじたストーリー展開はやっぱり好きになれなかった。
でも映画自体はそつがなく悪くないなと思った。長澤まさみの声にキュンとなる。