ジャン・プルーヴェ展

crz_joe2005-10-19

廃校になった中学校を利用した展覧会。
といっても仮設なのでほとんど文化祭レベル。
これで千円も払うと思うと実際かなり萎えて、
空間の力って偉大なんだと当然のことを思う。
そういう意味では美術館やカフェで空間に身を置くために払われるお金の一部は、
ラブホテルの空間に払われるお金と同質だ。
逆に考えればそこで消費されているお金はインテリアに対するものであるから、
いくらでも可能性はあるはずなのにこれはちょっとひどい。


ジャン・プルーヴェ自身は僕は優れたデザイナーだと思っていなくて、
比べるならマンジャロッティの方がずっと好きで、
それでもあの時代に産業にデザインを持ち込んだという価値はものすごく大きくて、
ヨーロッパもとくにドイツとかイギリスとかのハイテックな所に目を向けて、
あたりまえに建築部品とかにまでデザインが行き届いているのを見ると
彼の存在価値がいかに大きかったかが分かる。
日本なんか住宅建設産業に経済性以外のデザインの概念を持ち込んだ人がいなかったし、
そもそも住宅産業以外にも電化製品にもキッチン用品にもいなかったから、
おかげで今デザインという言葉が一人歩きする状況になって、
今頃柳宗理が脚光を浴びたりする。
mixiを見ればクリエイター&デザイナーのコミュニティには2万人近くも人がいるし、
デザインはいまもの凄いデフレの中にあるといっていいが、
たとえば携帯をdocomoに変えようとしても欲しい物が全く見あたらないように、
僕には一向に状況が良くなっているようには見えないからもっと頑張ろう。