真夜中の5分前/本多孝好

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A 真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B

恋人が2人も死ぬ軽薄な展開の小説にしては読む価値があったと思う。
もっとも3か月前に読んだらこんな小説家死ねばいいのにとか言っていたかも知れないから、
恋愛小説に対する人間の感情なんてずいぶん勝手なものだ。
広告業界につとめる主人公が不必要なモノを不必要なものとして売り出していくあたりの社会の切り取り方といい、理由もなく投げやりなキャラクタといい、村上春樹以降の小説家=不幸像みたいなものをかなりきちっと継承している気がしてそれはそれで笑える。
とはいえ全体を通じて結構クリエイティブにまとまっていてよかった。