リトル・バイ・リトル/島本理生

リトル・バイ・リトル
だいぶ昔に本屋で立ち読みしてからずっと気になっていた一冊。
結論から言って島本理生は好感の持てる作家だ。
表現力があってそして何より若いけど背伸びをしていない。
一部の歳をとって世の中を分かった気になっている(僕も遠くないけど)作家よりは
透明な若々しさがあってよっぽど好感が持てる。
少し前まで若く経験のない人の文章など全く興味が持てないと思っていたが
これを読んで、若いと若いなりに書ける物があるのだと思い直した。
ありふれた日常にあるはずのちょっとした幸せな時間。
そういうものを誠実に表現している。