真夜中のサクラ/小林ゆり

真夜中のサクラ
ブスでデブで暗くて少しも魅力がない女の子が主人公の小説。
でも考えてみれば字面によって表現される小説の世界って人間の想像力にいつも何かしら魅力的な要素を強いるという構造があることに僕は気づく。
と書いてみたけどもしかしたら村上春樹とか角田光代とか鈴木清剛保坂和志のように人間を魅力的に描く作家もいれば、
吉田修一島本理生のようにフラットに描く作家もいれば、
阿部和重町田康やこの小林ゆりのように人間の魅力的でないところを強調する作家もいて、
後者のような作家を僕はあまり好きでないだけで、
そういう本は図書館でなくて博物館にでも収蔵すればいいと僕が思っている人間だからかも知れなくて
とはいえこういうサクセスストーリー的なものには反吐が出る。