付け爪

その大江戸線の終電で帰っていると、会社帰りの人の他に六本木でいかにもこれから遊びますという感じで下りていく人も結構いて、車体の狭さといい、妙にドイツでの生活を思い起こさせて楽しい。
昨日も目の前に黒人2人と日本人らしき女の人が座っていたのだけど、その女の人が10センチくらいある付け爪をしていてカシャカシャと音をたてながらほとんどシザーハンズ
ところが意外とカバンの中から器用に物を取り出したりしてるのを見て、僕はなるほど僕らの仕事とはつまりこういう付け爪のようなものではないのかと思った。
つまり、普通の人は指先に何もない状態で物をつかむことに慣れてしまっているけど、付け爪をつけることで生じる不便さなんて常軌を逸しているように思えて割とすぐ慣れてしまう。でも明らかにその人は車内の注目を集めていて、ほら付け爪楽しいでしょ、みたいな雰囲気を醸し出していて、僕らが建築家として提案できるのもつまりこういう付け爪みたいなものなのではないかと、常軌を逸したような集合住宅のスタディの後に思う。


と書いたら無関係な物を無理矢理つなげていく話の辺り住宅都市整理公団の総裁みたいになってしまいました。