コンペの終わり

ひとつの模型の周りに10人近い人間がジェソを塗ったり、木を植えたり家具を置いたりしている様は、なんとなくAVを思わせる既視感が漂っていて、それでも例によってボスがワガママに案をひっくり返してから何日もたっていないのに、ここまで完成度の高いプレゼンを仕上げられたことにみんなで感動しながら、真っ赤なゴルフに模型を積み込んで国連大学前の近くまで車を走らせる。
交通渋滞と睡魔と戦いながらなんとか無事に提出して帰ってきて、早々に会社を引き上げ、コンペチーム5人で駅前で飲む。横暴でしかないボスのやり方にみんなで文句を言いながら、口には出さなかったそれぞれの打ち合わせでの役回りやボスとのやりとりの仕方に文句を言いながら、ハーレム的なこれまでの事務所のあり方にも文句をつけながら、それが変わりつつある現状をつまみに、耐えようのない睡魔に襲われてどうしようもなくなるまで爆笑しながら。