森山邸

crz_joe2007-05-26

新人のonの案内で訪れる森山邸。
駅から歩くと蒲田の舗装されていない路地が残る下町っぽい感じを見て
こういう場所にホワイトキューブ的な建築がどう建ちうるのか
懐疑的な気持ちを抱く。


ところが実際に目の当たりにすると
湿っぽくてところどころ雑草が生えている土が残された状態と
自転車や椅子などの家具が投げ出されている
棟と棟の間の路地っぽさが妙にこの場所に合っている感じがして驚いた。
ノスタルジーだ。
ネコなったらきっとすごく楽しい。


僕らは幸運にも森山邸のおそらく一番いい季節に訪れることができて
新緑はきれいだし温湿度も一番快適な状態で
nkmr棟やonr棟も含めて、陽の光といくつかの建物越しに見える空の青が本当に気持ちよかった。
犬を常にぬいぐるみのように抱えている森山さんに話を聞くと、
一応の区分はあるらしいのだが、
所有の境界が曖昧になることと、周りから見られる楽しさ
が生活をプレゼンテーションしながら住むという楽しさにつながっている。
そしてすごいのが、建築にこう住まなければ、とかこういうものを置かなければ
などという強制力を全く感じないところ。
ABWなら空間のレイアウトにある程度そういう強制力があるし
うちなら空間の質にそういう強制力がある。
その辺に落ちていそうな汚れたテーブルを置いても
楽しそうになってしまうこの森山邸の自由な感じをつくりだすマジックには
都市で安全快適に集って住むための動物的なアイデア
たくさん盛り込まれていると感じる。