ウェブ人間論/梅田望夫、平野啓一郎

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はてな代表取締役の梅田さんと芥川賞作家平野さんの
Web2.0をベースとした新しい社会とその中で人がどう変わってきたのかについての対談。
Wen2.0を支える不特定多数の人間に対して性善説を唱えるのが梅田さんで
性悪説を唱えるのが平野さんという姿勢。
ものすごく要約すると選択肢が膨大に増えたおかげで
今の若者にはたとえば経済的な収入よりも自分の快楽やつき合いやすい人間関係を選ぶという
そういう傾向にあるという話し、弱冠まとめすぎ。


週末を返上し月曜の消印でコンペを出し終えて渋谷でボスと飲んでいるとき、
ボスが学生の頃に磯崎アトリエでバイトを始めたときに
有無を言わさずいきなり徹夜で柱200本切らされたエピソードを聞いて
今のバイトたちをみてだいぶ環境が違うのだと感じると言うと
確かに昔は選択肢がなかったからともっともなことを言っていた。


かくいう僕も完全なウェブ人間であり、自分の記憶をこうして
どこにあるか分からないサーバーに委ねて
いつでも接続出来るからいいさとそれをしっかり覚えておくことから遠ざかっている。
音楽にしても写真にしてもそうで、いつでも見られるアルバムやCDという媒体を所有するのではなく
外付けのHDにぶち込んでおいて、PCを介さないとそれを取り出せない状態にしている。
僕の脳はそういった記憶や記録たちをおいかける検索能力だけを高めていて
たとえば昔読んだ本のことなんかを思い出すのにあれは修士2年の暑い頃だったから
何年の何月くらいの日記を見れば思い出せるみたいな感じで働いていて
自分の分身は確かにこのPCとインターネット上に存在しつつある。


所有という概念が弱くなっていく自分を思うに
結婚とか大丈夫なのかと不安になるけれど
まあそのあたりは深く考えないでもいいか。