イニシュエーション・ラブ/乾くるみ

イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

旅中に読んだ本シリーズ3。
話題のミステリという触書と、出だしのラブストーリー的な展開のギャップにひかれて手にした一冊。
ところがいくら読み進めても30代後半の人にどんぴしゃな青春恋愛小説で一向にミステリーが始まらない。
ミステリーは本の最後2行に集約されていて、それによって本全体がミステリーと化す。確かに読み返さずにはいられなかった。
タイトルはその意味を知らない方が楽しめると思うが、誰もが恋愛に不器用でまっすぐだった頃の自分を懐かしく思うに違いない。
そんな頃があったことを信じてもらえない歳になった。