クローバーフィールド/マット・リーヴス

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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ひさびさに予定のない休日に見るひさびさのハリウッド映画で
ハンディカメラによって徹底して1視点から撮られたパニック映画。
面白かった。


最近僕が面白いというときは大概、そのエンターテインメント性よりも
何かを考えさせられるという意味でいうことが多いけど、これはどっちとしても面白かった。


僕らはすぐに世界を俯瞰的に見ようとする。
地図がなければ知らない街は歩けないしニュースを見なければ周りの情勢から取り残された気分になってしまう。


大概のパニック映画も同様に俯瞰的であり、(思うにスターシップ・トゥルーパーズだけが例外的かもしれない)そこに上から見て探り当てられたようないくつものヒューマンドラマが重なるようにできている。
それは僕がハリウッドムービーを嫌いな大きな理由の1つだ。


でも世界は実際には一人称の集まりでしかない。
極端に言えば一人一人の中に違う世界が存在している。


この映画は僕らが俯瞰的な戦争のニュースに何の感情ももてないこと対極的に
一人称で見るということにどれだけの感情が内在するかをうまく描いている。


そしてそういうものの見方が、ものすごい量の情報にあふれ
かつ誰もが情報を発信できる時代においては
ものすごく重要になってきているのではないかと思う。


そういう意味ではアトリエ的なものの探求がものすごく私的な視点で語られる
現在の状況にも納得できる。