バイアス

何人かのチームで設計をしていて打ち合わせをしていると、個人個人で言われたことに対する受け取り方の違いみたいなものが結構あって、最近僕はそういうものをすごく肯定的に受け止めるようになったのだが、おそらくそれは現在のボスがそういう所員の中にある嗜好によって生まれるそうした解釈の傾斜（＝バイアス）を許容していることに影響しているのだと思う。
きっとそうしないと１００近くはある仕事を回すことなんてできないのだろう。受け入れる器が果てしなくでかいと端から見ていて思う。

逆に僕自身も最近はどんな難題をふっかけられても、どんなにいいと思って持っていた案を否定されても、見かけ上割と素直に受け入れてしまうようになった。
見かけ上と言ったのは、たとえそれを受け入れたとしてもまだそこにある僕のバイアスは割と強度があって、最終的には嫌でも自分のフィルターを通したものがでてきてしまう。
だからこそひとまずどんどん受け入れる。ボスのわがままも途中で発見されたどうにもならない問題も新人君が持ってきたむちゃくちゃなスタディもこういうのもいいかと受け入れてみる。客観的に見たらサンドバックのようにぼこぼこ叩かれながらその叩かれたときに振れて戻ってくる方向に少しだけバイアスをかけてやる。そうこうしないうちにまた新しいパンチが飛んできてまたあらぬ方向へ飛んでいく。

日々そんなことの繰り返しのようだ。

ふと机の上を見たらスチノリ挿しの割れた部分から鼻ちょうちんのようにノリが出てきて鼻のように固まっている。これを鼻に見立てると、青いふたの部分が烏帽子のようだと思った。