クリストとジャンヌ=クロード展@21_21 DESIGN SITE

crz_joe2010-03-06

土曜の早朝にNYとの電話会議を終えて
2ヶ月休みなしな程に忙しかった仕事が一段落したので
帰る前に寄ってみる。


クリストっていうと僕みたいな建築の人間にすれば
ものすごくシンプルな手法でだけど大掛かりなプロジェクトを
さらっと実現して日常の風景の再考を迫ることのできる、
非常に洗練されたアーティストっていうイメージをもっていたのだけど
交渉から実現までのドキュメンタリーや没になったプロジェクトの青焼き図などもあって
彼らがどうやってそれを実現し、その大半を非実現のまま終わらせて来たかを
改めて見てみると、結構泥臭くって、
実現への長いスパンを表現に対する欲望で乗り越えている、とても人間味あふれている人たちなんだと気づく。


それでも尚、そこにある洗練された感じが何なのかとじっと問うてみると
2週間しか置かれないという仮設性にこそそれがあるのだと気づいて
ああ。我々はつくづく時間に恋をする職業なのだと知らされる思い。
重たいのは嫌。仮設的につくりたいという建築家がいくら嘆いても
決して洗練されきらないのはクリストがいるからと言ってもいいかもしれない。


限られた期間の展覧会を訪れる行為と、
遥か昔に終わってしまって見たくてもこの目で見れないインスタレーションに思いをはせる行為が脳の中でリンクして
見れてよかったという気になる。