1984年/ジョージ・オーウェル

恥ずかしながら初読。劇的に面白い。
これを読むと共産主義の中国人がなぜあんなに平気で嘘をつくのか
とてもよく分かるし、二重思考という考え方は
現代社会に少しずつ浸透しているのかもしれない。
それは物事を都合良く解釈するということであって
脳の本質的な役割といってもいいからだ。


小説の中では党が都合の悪い過去の記録をどんどん書き換えていく。
人々はそれはおかしいと思いつつも二重思考によってそれを受け入れていく。
あらゆる情報が操作され、思考をコントロールするために言語を簡略化していく。生活水準を上げずに生産量を消費するために戦争をし
適度な娯楽を与えて人々の不満をためない。
人間の尊厳というものを幻想だと思えばこういう社会が成立しうるというのは
なかなか想像力のいること。
レディオヘッドの世界観にしっくりくる。
2+2=5やNo surprisesを聞きながら読みたい。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)